1994年 河口堰までカヌー
2010-07-13
河口堰が閉まる1年前、美濃市から河口堰まで2泊3日で長良川を下った。1日目、関の孫六苑下の河原でキャンプ、2日めは羽島付近で泊った。
さて3日目、今日は河口堰に反対する仲間と河口堰反対のイベントで16時に合流する予定だ。残り35キロ。美濃から羽島と同じくらい。どうしよう。
とにかく、淡々と流れ変化の少ない下流部をひたすらパドルを漕いだ。両岸は堤防なので見えるのは空と堤防と時々くぐる橋。
どこの橋か確認しないと場所がわからなくなる。
ザザーッ! ザ。 突然カヌーが何かに乗り上げた。川の真ん中で深いはずなのに。乗り上げた所は砂で底から垂直に立ち上がっている。よく見るとまわり全体が浅い10センチくらい。
川全部がそうではないので、通れるを探し通過する。これが海からの潮の動きと川の流れによってできた「マウンド」だった。(今は洪水の水位を下げるため浚渫されなくなった。)
昼頃、木曽三川公園(治水タワー)に着く。残り5キロで楽勝だと思い、カヌーの上で本を読む。川の中央を下流に向かうと少々流れがあり快適だ。
と思ったのも束の間、流れはどんどん強くなり波の高さは1mくらいある。複雑な流れはないが下流に引っ張られている感じがする。引き潮だった。友達は満潮と言っていたので信じていたが、正反対。とにかくひっくり返らないよう忠実に漕ぎ、川の蛇行を利用して左岸の岸にたどり着いた。
しかし底には向かい風が待っていた。流れの全くない岸沿いを風と闘いながら漕いだ。下流にすごい勢いで流れる中央部を横目に見ながら。もう少しテクニックがあれば、あのままくだれるんだろうが、私の技術では海に行ってしまいそうだ。
結局着いたのは、予定どおりの16時だったが5キロを4時間もかかった。朝から漕ぎっぱなしでヘトヘトになった。
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河口堰が無かった頃の貴重な体験です。
マウンド、引き潮の強力な力、今では無くなってしまいました。河川のダイナミックな動きを長良川に取り戻したいです。