大雨でダム決壊寸前
2009-07-27
福岡県の那珂川で大雨によりダムの貯水率が一時140%に達し、緊急放流寸前になった。西日本新聞幸い雨が小康状態になったため行われなかったが、TVの映像を見ると市内中心部は冠水や道路ぎりぎりまで水がきていて、上流の那珂川町役場は床下浸水になっていた。
もし、この状況で緊急放流されたならば、被害はものすごいことになっていただろう。那珂川は福岡の真ん中を流れている。都市機能マヒだけではすまず人的な被害もでたかもしれない。
ダムは満水し限界を超えると、ダムの決壊を防ぐためダムへの流入と同量の放水を行う。(ただし書き操作)最近は無調節操作(ゼロカット操作)というようだ。
つまり、人為的な洪水を起こすという事になる。ただし書き操作は流入量=放水量の操作を行うとされるが、2004年の三重県宮川では流入量以上の放水が行われた。(ダム決壊を恐れるためか?)ダム決壊より被害は少ないと思われるが。
ダムは上流部に作られるため、集水域は河川全体から見ると小さい。今回のように河川流域全体で大雨が降れば、ダムの治水機能に関係無く増水する。そこへ緊急放流が行われれば、ダム決壊よりましだが人口140万の福岡市では相当な被害がでる。緊急放流に「待った」をかけるのも当然だ。今回は天候に救われた。
ところで、内ヶ谷ダムだがこのダムはゲートを持たない穴あきダムなので緊急放流という事はないが、最上部に洪水吐がありダム堤体のほぼ全体から越流するように設計されている。
このときダムの治水機能はゼロになる。
福岡市 那珂川 洪水の様子